カラスに養われたエリヤ
Ⅰ列王記17:1-9
231022
このところ、物価上昇や就職難、疫病の広がりや戦争の危機もあり、世界は混乱へと向かっています。このような時代には、人々は頼りがいのある人や会社、あるいは豊かな財産に囲まれていたいと考えます。しかし、本当に頼りがいのあるものとは何でしょうか。御言葉から学びましょう。
1.神には人を養うのはたやすい
エリヤは王の前に行って「私のことばによらなければ、ここ2,3年は露も雨もふらないであろう」と神の言葉を告げました。神は偶像礼拝をするイスラエルを裁き、雨を降らせなくしました。人々は飢えと渇きで大変苦しい生活になってしまいました。しかし、神はご自分のしもべエリヤに、ヨルダン川の東のケリテ川に身を隠して、その川の水を飲むように言われました。また、カラスに命じて、彼にパンと肉を持ってこさせました。
カラスが運んできてくれるパンと肉は、人間の生存に必要な糖分、脂肪分、タンパク質のすべてが入っていて、川の水にはミネラルもあったでしょうから、エリヤが生きるために必要なものがすべてありました。
この大飢饉のときに、神はエリヤを養うために大金持ちとか、大豊作の家の主人を用意しませんでした。それどころか、頼りにならないような川に導き、何の役にも立たないようなカラスに命じたのです。神にとって大飢饉も豊作も関係ありません。神にとって人を養うのはたやすいことなのです。
神はご自分のしもべを守られます。神は私たちに必要な助けを与えるために、何でも用いることができるのです。
2.自分の弱さを見ないで神を見る
ケリテ川はヨルダン川の東にあり、現在ではおおよその位置しかわかりません。地図に載っていないほど小さな川だったと思われます。そんな川の水を飲み、カラスに養われることは、なんと頼りないことでしょうか。
また、しばらくするとケリテ川の水が枯れました。その時、神は「ツァレファテに行き、そこに住め。ひとりのやもめに命じて、あなたを養うようにしている」(Ⅰ列王記17:9)と言われました。大飢饉のときにやもめは最も弱い立場の人です。なんと頼りないことでしょうか。
しかし、エリヤはカラスややもめによって養われました。なぜなら、神がカラスに命じたり、ツァレファテの女にエリヤを養うように命じたりしていたからです。エリヤを養っていたのはカラスややもめではなく、神なのです。神に目を留めることが大切です(コロサイ3:2)。
私たちクリスチャンは、天の神が私たちを養っておられるのです。私たちは、目の前のものを見ないで、天におられる神を見ることが必要です。
私たちはいつも神を見る目を持たなければならないのです。目の前にあるものではなく、天におられる神に目を向けましょう。
3.神はあえて私たちに弱さを与え、神の力を現わされる
イスラエルが大飢饉のとき、エリヤは小さな川の水を飲み、カラスに養われ、その後、ツァレファテのやもめに養われました。どこに行ってもエリヤの周りには頼りないものばかりでしたが、神はエリヤに御言葉を与え、生きるための場所を教え、食物を与えて守り続けました。
神は私たちにあえて弱さを与えられます。それは自分の力では困難を乗り切ることができない弱さであり、問題を解決できない弱さです。神は私たちの弱さの中に完全に現れてくださいます(Ⅱコリント12:9)。ですから、私たちは自分の弱さを感謝して受け入れましょう。神が働いてくださるからです。
まとめ:
私たちの生活においても、自分の家庭環境、職場、持ち物が立派ではないと嘆くのではなく、天におられる神がおられ、導いておられることを覚えましょう(箴言3:6)。私たちの人生を通して神の守りと祝福を受けていることを喜びましょう。
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